今日は運営管理のR2第16問について解説します。
ある製品の梱包工程の作業内容は下表に示すとおりである。
この工程を3 名の作業者で分担して作業を行う案として、単位時間当たりの生産量が最も多いものを下記の解答群から選べ。
ただし、各作業者間の移動・搬送の時間は無視でき、スペースの制約は考えない。
〔解答群〕
ア 作業者①がA・B・C・D、作業者②がE・F、作業者③がGを担当する。
イ 作業者①がA・B・C・Dを担当し、作業者②がEを実施したのち、作業者②と③が組作業によってFを実施(作業時間が25 DM になる)したのち、作業者③がGを担当する。
ウ 作業者①がB・C・D、作業者②がE・F、作業者③がA・Gを担当する。ただし、あらかじめいくつかの箱を組み立てておく。
エ 作業者①がC・D・E、作業者②がF、作業者③がA・B・Gを担当する。ただし、あらかじめいくつかの箱を組み立てて、品物にシールを貼っておく。
解説
ライン生産でのサイクルタイムと生産量に関する問題です。「単位時間当たりの生産量が最も多いもの」が求められていますので、各作業者の「最大作業時間が最も短いもの」を選びます。
それでは早速、各選択肢を見ていきましょう。
選択肢ア:
作業者①:A+B+C+D=10+10+30+15=65
作業者②:E+F=10+50=60
作業者③:G=25
よって最大作業時間は、作業者①の65となります。
選択肢イ:
作業者①:A+B+C+D=10+10+30+15=65
作業者②:E+F/2=10+25=35
作業者③:F/2+G=25+25=50
よって最大作業時間は、作業者①の65となります。
選択肢ウ:
作業者①:B+C+D=10+30+15=55
作業者②:E+F=10+50=60
作業者③:A+G=10+25=35
よって最大作業時間は、作業者②の60になります。尚、あらかじめ十分な箱が組み立ててあれば、作業者③のA(10)はライン外作業として考えなくて良くなります。
選択肢エ:
作業者①:C+D+E=30+15+10=55
作業者②:F=50
作業者③:A+B+G=10+10+25=45
よって最大作業時間は、作業者①の55になります。尚、あらかじめ十分な箱が組み立ててあれば、作業者③のA(10)+B(10)はライン外作業として考えなくて良くなります。
以上から、正解は選択肢エとなります。
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選択肢イにつきコメントします。作業者③の時間に以下の誤りの可能性はありませんか。
誤:選択肢イ:
作業者①:A+B+C+D=10+10+30+15=65
作業者②:E+F/2=10+25=35
作業者③:F/2+G=25+25=50
よって最大作業時間は、作業者①の65となります。
正:選択肢イ:
作業者①:A+B+C+D=10+10+30+15=65
作業者②:E+F/2=10+25=35
作業者③:E(待ち)+F/2+G=10+25+25=60
よって最大作業時間は、作業者①の65となります。
理由: 作業者③の担当する作業はFとGのみです。作業Eが作業Fに優先し、作業Fが作業Gに優先するため、作業者②が作業Eを実施している10分間、作業者③の実施する作業はありません。したがって、作業者③にとって最初の10分間は待ち時間です。この10分間は作業時間ではありませんが、ラインのサイクルタイムに影響します。例えば、他の条件を変えずに作業Gの作業時間が35DMに増えた場合、作業者③の待ち時間+作業時間は75DMとなり、これがサイクルタイムになります。
コメントありがとうございます。
ご指摘の点ですが、作業者③の待ち時間を考慮する必要はありません。
仮にGの作業時間が35DMの場合を考えてみます。
作業者②と作業者③がFを終えた後、作業者②は次の製品が作業者①から出てくるまで30DM待つことになります。
一方、作業者③はGを35DM行った後に、作業者②がEを終えるのを待つわけですが、待ち時間は5DMです。
ですので、サイクルタイムは作業者①の65DMであり、作業者②は35DM+待ち30DM、作業者③は60DM+待ち5DMとなります。